【初見雑感】少女☆歌劇 レヴュースタァライト
レヴュースタァライトというアニメシリーズを観終わりました.TV版→再編集劇場版を観てからの新劇場版を観てきました.
🎊上映延長決定🎊
— 絶賛上映中 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト (@revuestarlight) 2021年10月12日
グランドシネマサンシャインとシネマサンシャイン ららぽーと沼津にて
「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」が10/21(木)まで上映延長決定👏
まだまだご観劇チャンスです🌠お近くの方はぜひお越しください😍https://t.co/w69zlAj21Y#劇場版スタァライト pic.twitter.com/nBmsKmkLFl
いやー面白い.
何がすごいって
エンタメと奥深さのバランス,これにつきます.こじらせないでこういう作品が作れる監督って本当にすごいと思います.
TV版観ててあれ,ピングドラム,さらざんまいっぽいなーと思っていて,でも監督が違うんですよね.で,観終わった後よく調べてみたら本作の監督は上記の作品の監督(以下,例の監督)の弟子らしいです.
なるほど,例の監督の作品は独りよがり作品という感じがあって,そういう面はあんまり好きじゃないんですけど,でもそれが深みだし,そこが支持されているんだと思います.一方,スタァライトはバランスがいいなと思います.エンタメとしての演出もちゃんとあるし,それでいて例の監督の作品みたいな深みがある.芯はしっかりしてるんだけど,所々に餌が撒いてある.だから友達と語れるしそれが楽しいんです.
以下のインタビュー記事で監督が言ってるんですが,
キリンは自戒の念も込めて「わかったつもり」で作品を消化している観客でもあります。「他人の考察」はあくまでも「楽しみ方の幅」を広げてくれるものとして考えてもらって、この作品やそれを見た2021年の一日が「自分にとって何なのか」を楽しんでいただけると幸いです。
この考え方,僕がいろんな作品を体験する際の姿勢そのものなので,本当にうれしいです.作ってくれて本当にありがとうございます.
体験の流れ
TVシリーズ
最初はラブライブ,響けシリーズのような青春群像劇をシンフォギアのようなミュージカル仕立てでやるのかと思いきや...バナナ回で様子がおかしくなる.いや,まひる回の不気味さで既に片鱗は見せていたけど.
で,物語はどんどん抽象的に,情熱的になっていく.初見で最終回を観た時はかなり驚きました.バナナ回の安易なループ導入から,分かりやすいSF風で割と綺麗に着地すると思っていた...
あと,バナナループが分かりやすくループしちゃうから,終盤かなり考えながら観ちゃった.ひかりが囚われる,華恋が助けに行く,これは分かります.オーディションときらめきについての答え合わせが入る.なるほど,華恋とみんなのためにきらめきを奪わなかった.で,罪を負わされる.ん?罪?なんだよそれ...キリンが観客?うーんなんか弱いなあ,となって腑に落ちないまま終盤,キリンがこっちを見る.これはずるい.なるほど~ずるいわ~~となりました.ずるいですね.
劇場版
最初は構えて観てしまった.どこかでまたどんでん返しが来る,そのためにくまなく観なければと思って観ていると,電車がおかしくなる.きたきた~と思っていると野菜キリンが燃え始める.分かります,この作品はメタ好きだもんね,オタク叩き好きだもんね,エヴァだよね.ドーナッツ屋のくだり,今まで出てこなかった男が3人出てくる.奥のソシャゲしてるオタクくん,話は否定から入るし俺は分かってるよと言うしでもう完全に意図してますよね.
それから決起集会,友達はモブにも焦点を当てたエピソードと言ってたけど,脚本の叫び,あるいは不完全で満足しているモブとメンバーとの対比(真矢は別)?
なんて感じで観てるとトラックがやってくる.ファンディスクタイム.これが普通に良い.純那のとことクロディーヌのとこで泣きそうになった.新たな悩みを追加して,再上演を行う.
最後の上映はもちろん二人の物語.TV版ではいまいちよく分からなかった二人の動機が観れたのは本当に良かった.TV版では華恋は運命で動いていたように見えるけど,運命なんてものはなくて,正体は強い思いだった.そういうのが分かって本当に良かった.
ポジション0みたいな分かりやすい演出がある一方で,東京タワーが折れたりもする.その辺は正直まだ呑み込めてないです.結局ファンディスク+TV版の補完として物語は終わる.レヴュースタァライトはこれで終わり,と分かりやすく教えてくれる.特に難しい話はなかった.すごくシンプル.良かったけど,あーこういう終わり方かーとなってしまった.
映画を観終わって真っ先にやることは,ワイドスクリーンバロックのwikipediaの定義を見ること.
時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄
— ブライアン・W・オールディス、『十億年の宴』p.305より 浅倉久志
あーなるほど,軽薄,しょうもない,でも機知に富んだ,エンターテイメントとして最高の演出,そうか...元から頭でっかちで観る必要はなかった.またやられた.TV版と一緒じゃん...